ピアノソナタ

 

ショパンはピアノソナタを3曲書きました。
第1番はワルシャワ時代、第2番はマヨルカ島滞在前後、そして第3番はノーアンで作曲されました。

一般に第1番は習作といわれてあまり評価されていませんが、どうしてどうしてそこにはショパンの明確な意図が看取られるのです.
第2番は葬送行進曲付きで、発表当時、これはソナタではないといわれました。
第3番は完成された曲として高く評価されています。

いずれにせよ、ショパンのソナタはショパンのソナタ、それまでのソナタ形式に対する挑戦だったのです。

各論に入る前に、3つの曲の構成を纏めると下表のようになります。

番号
作品番号
構成
作曲年
出版年
楽章
拍子
速度指定
調性
長さ   (小節数)
Allegro maestoso
c
149

Menuetto-Trio allegretto

Es

80

Larghetto
As
42
Presto
c
399
1828
1851
Grave-Doppio movemento
b
242
Scherzo
es
286
marche funebre Lento
b
85
Presto
b
75
1839
1840
allegro maestoso
h
204
Scherzo  Molto vivace
Es
216
Largo
H
120
Finale Presto, non tanto
h
286
1844
1845

表を見て直ぐ分かることは、まず3曲とも短調で書かれていることです(第1と第4楽章)。また、全て4楽章で構成されています。ハイドン。モーツアルト、そしてベートーヴェンの後期までのいわゆる古典的ソナタが3楽章構成だったのと比べると、ショパンは意図的にそのような慣習的な形式を排除したと見られます。
そのため、ショパンはソナタの書き方を知らなかったのだ、あるいはショパンはソナタのような大曲を書けないのだとまでいわれました。

しかしそのような酷評は当を得ていません。第2番を書いた頃すでにスケルツオ第2番やバラード第3番のような曲を書き、また第3番を書いた頃にはショパンの最大傑作ともいえる幻想ポロネーズのような新しいジャンルの大曲をものにしているのです。

ショパンはソナタについても独創的な見解を持っていたのだと思うのです。それは伝統にとらわれない革新的な思想に根付いているのです。だから、後世の作曲家に新しいソナタの姿を示すことが出来ました。

詳しくは各論で述べたいと思います。